女子大生の気まぐれフィンランド日記

トビタテ5期生として、1年休学をしてロンドン・フィンランドに留学中。現在、フィンランドの小中学校で国際教育実習インターンを行い、『日本中の子どもたちの知的好奇心を揺さぶる教育方法』を模索している女子大生。

【フィンランドの授業はどの科目も色鉛筆・のり・はさみが必須?】

 

 

今週、わたしの住んでいるフィンランドの首都ヘルシンキで初雪が降りました❄️(とは言っても、みぞれ程度)しかし!冬は近づいてきていても相変わらず紅葉が美しいフィンランド、10月の終わりです。

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〈帰り道に思わず綺麗で撮った写真〉

 

フィンランドの小中学校でインターンを始めてから1ケ月が経ちました。正直、フィンランドでの生活は自然に囲まれて落ち着くながらも言語の違いのせいかロンドンに比べて手こずりました。しかし、そんなわたしも、子どもたちの名前も覚え、異文化の人とのかかわり方やパーソナルスペースに慣れ、先生友達と学校終わりにどこかに立ち寄れるほど、本当にここ最近、やっっっとインターンに行くことに余裕がでてきました😭💡

 

そして、昨日は、初めてまるまる1コマ分(45分)の授業を担当させてもらいました!✨✨今までアシスタントや半分のみ任せられていたわたしにとっては大きな進歩です😂

 

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さてさて、今日は、

「つくる」ことで「学ぶ」フィンランドの教育を紹介します。

前回お話しした「教科横断授業」の続きが気になっている方もいらっしゃると思いますが、あのあと、どんな授業が展開されたでしょう?

「歴史」の授業で「古代文明」について扱っていく材料として、前回の「知的好奇心を揺さぶる」授業の導入がありました。

 http://b3w41003.hatenadiary.jp/entry/2016/10/16/082145

(前回の記事を読んでいない方はこちら)

 

授業後、先生に

「なぜ歴史を学ぶ前に現代社会のマーケット市場についてなんて知る必要あったの?」

と質問したところ、

「だって、まずは自分が暮らしている環境のことについて知らなかったら歴史を学んでも意味ないから。」

とシンプルな答えが返ってきました😂なるほど、たしかに😂💡💡

 

その後の授業では、

1.人類の成長

2. タイムライン

3.道具

4.食べ物

 

の4つの項目にわけ、「以前つくった三角の画用紙を用いて、自分なりに学んだことを表現しましょう!」という展開がされました。

アイパッドで調べ学習を進めながら、自分が知識として学んだことを自分の言葉でまとめ、それに関係する3Dアートを作っていくのです。土台部分には、説明文を、ステージにはそれを表現するアートを…。

 

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〈作り始めてから3回目の授業。ほぼほぼ出来上がってきています。〉

 

そして最終的に出来上がった古代文明の3Dアートはこんな感じ。

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〈書いている内容が同じでもそれぞれ個性がありますね〉

 

実は、この「古代文明」の「歴史」の授業、テストはなく、この3Dアート完成品が評価の対象とされるようです。

この授業のように、「テスト」の代わりに「アートプロジェクト」という、自分の考えをアートで表現したものを評価することは、フィンランドの教育では普通なんですね。おもしろい。

 

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それがゆえ、教室の中には子どもたちの作ったアートで溢れています。

 

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〈【社会】自分自身を表す人形。現在は、服を縫ったりステージを木で作ったり。保健体育・家庭科・図工が組み合わさってるようです。〉

 

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〈【英語】自分の頭の中について書いてあるのでしょうか?〉

 

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〈【図工】日本でいう学活の活動としてのハロウィンパーティで取り扱うランタン。英語・社会・異文化理解が組み合わさった授業でした。〉

 

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フィンランドの教育では、学んだことを自分で表現するということを重視しており、どの授業にも必ず図工が絡んでいます。体育ではさすがに使いませんが、それ以外の科目では、必ず色鉛筆・画用紙・のり・はさみのどれかが使われています。

 

現場の先生は、「手を動かして学んだことを表現することは、子どもたちの頭の中の知識を組み立てていくために必要不可欠なんだ。それに、自分の考えを表現することが嫌いな子どもなんていないから、夢中になって学べるでしょ?」と言っていました。

 

ふむ…その通りです…😭✨✨

何かを作ることが大好きな私、大納得です。笑 (フィンランドで過ごしていると私もフィンランドの教育を受けて育ちたかったなあと思うことばかりです笑)

「夢中になって学ぶこと」って、教師が子どもの様子を見て授業のカラクリを作ってあげることで成り立つものですよね。

 

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 〈教材だけ見ると、勉強ではなくお遊びしてるだけみたいです。笑〉

 

そんなわけで、フィンランドの教育現場では、毎日子どもたちのクリエイティビティが育まれています。

さて、前回と今回で一連の授業の流れを紹介したのですが、「なんでフィンランドでは教科横断授業ができるの?日本ではできないの?」と疑問に思った方、目の付け所が素晴らしいです👏👏👏笑

 

私自身も疑問に感じたその答え、フィンランドの教育現場に隠れていました!!

……ということで。

焦らしてしまい申し訳ないですが、話し始めるとキリがないので、続きは次回書かせていただきます。笑

 

次回▷▷教科横断授業が成り立つ秘訣とは?

 

今回も読んでいただきありがとうございました😊💕

おわり。