【教科横断授業が成り立つ秘訣とは?日本ではできないの?】
フィンランドでは、先週より本格的に雪が降り始めました☃️
11月のはじめにして既に−7度という気温で少し焦っていますが、気温の割には意外と寒くない…というか、なんだか慣れてきた気が…します🙄🙄(と言ったら、「太ったんじゃない?」と先生に言われてしまいましたが、冬を生き抜くためだし、しょうがない、ですよね?…と思わせてください。笑)
そしてそして、雪が降ってもフィンランドの景色は美しく、子どもたちも元気です!❄️💕
〈休み時間は必ず全児童・生徒、天気にかかわらず外にでます〉
〈フィンランドの空はいつ見ても広くて綺麗です〉
---------------------------------------------------------------
さて、それではさっそく本題に移りたいと思います。
フィンランドの学校では、毎日教科横断型授業が行われています。
〈フィンランド語の授業風景〉
以前までのブログを読んで、「おもしろそう!」「日本でもやってほしい!」なんて思った方も多いのではないでしょうか?
以前もお話しましたが、フィンランドでは今年9月より新教育課程が始まり、その改定内容の1つに「教科横断型授業」が含まれています。
「日本とフィンランドの教育課程は違うし、教科横断型授業なんて日本じゃ不可能だ!」と思った方もいらっしゃると思います。しかし、実際はどうなのでしょう?
平成26年11月の「初等中等教育における教育課程の在り方について」の諮問において、「育成すべき資質・能力の3つの柱」のために2点の学習方法が挙げられています。実は、そこでは、アクティブ・ラーニング視点の学習プロセスと同様に、教科横断的なカリキュラム・マネジメントも掲げられているんです!
〈写真で申し訳ないです(笑)〉
そう、文部科学省は、現代の日本の教育課題を焦点化し、
「個別のいわゆる現代的な課題やテーマに焦点化した教育についても、これらが教科横断的なテーマであることを踏まえ、それを通じてどのような資質・能力の育成を目指すのかを整理し、学習指導要領等の構造化の考え方の中で検討していくことが必要で
ある。」と述べているのです。
つまり!!日本の教育においても、「これからは、1科目のみでなく、多教科横断型に授業を系統的に行わなければグローバル社会に対応していけないんだ!!!」という考えは既に日本にもあるんですよね💡💡💡
------------------------------------------------------------
そこで、今回は、「どうしてフィンランドでは教科横断授業が成り立っているのか?」という疑問に対して、私が考える、フィンランド教育の秘訣を述べていきたいと思います!
【私が考えるフィンランド教育の秘訣】
①教員同士の連携
フィンランドの学校現場では、他学年の先生・他教科の先生と話す場が多く設けられています。例えば、毎週水曜日に行われる職員会議は、「最近どんなことを指導で困ってる?周りの人とシェアし合いながら解決策をグループで出して。」という校長先生の言葉で必ずスタートします。職員会議と言っても、想像するような日本でいう「会議」ではなく、フィンランドでは、お菓子が振る舞われ、その週の出来事を先生と話す貴重な楽しい時間なのです。笑
また、月曜の朝も「ティータイム」のようなものがあり、朝食を食べながら先生同士で情報を交換しようという取り組みが学校で行われています。
〈月曜朝のティータイム〉
このような時間があることによって、異なるクラスや教科の情報を得ることで、カリキュラムマネジメントがよりスムーズに進み、教科横断授業が成り立っている気がします。
②常に学び続ける教員
フィンランドの学校では、週1で授業後に教員が学ぶ機会が設けられています。
勉強会と言っても、座学ではありません。机の上のアイテムを用いて、新しい教育方法を教員自身が子どもとして実践しながら、新たな指導法の知識を付けていくのです。
残念ながら、写真はないのですが、勉強会のときにとっていたメモを参考に紹介します。
〈メモなので雑なのは勘弁してください…😰〉
机の上にいくつかのアイテムがあり、一緒になったグループの先生と一緒に1アイテムを選びます。
例えば、「真っ黄色の大きな布(○と△の穴が開いている)とボール1つ」。
それらアイテムと一緒にガイドラインが置いてあり、そこには「このアイテムを使ってこんなゲーム活動ができます」というような説明文が書いてあります。
そこで、まず、それをグループの中で実践して、実際に教育現場で使えるものか確かめます。そして、その後に、各グループ内で、ガイドライン以外のアイテムを使用した学習活動を考え、新しい教育方法をアイテムを基に編み出すのです!これは楽しい!そして、最終的に、そのアイディアをシェアする…
という流れになっています。
ちなみに、私たちのグループは「真っ黄色の大きな布とボール1つ」を用いて、True & Falseゲームを考えました。他にはどんな活動が思い浮かべられるでしょうか?
このように、勉強会を通じて、教員自身が楽しみながら新しい教育方法を見出しています。この授業のクリエイティビティこそ、「教科横断授業」を構成するために必要な要素なのではないかと思います。
----------------------------------------------------------------
以上、フィンランドの教育の秘訣を長々と書かせていただきました。
ここまで、フィンランドの新教育課程における教育方法などを紹介させていただきましたが、「フィンランドの学校ってどんな感じなの?」と学校の様子が気になるというメッセージをいただきました。笑
ということで、次回▶▶▶【フィンランドの子どもたちの一日】です。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました
おわり。