女子大生の気まぐれフィンランド日記

トビタテ5期生として、1年休学をしてロンドン・フィンランドに留学中。現在、フィンランドの小中学校で国際教育実習インターンを行い、『日本中の子どもたちの知的好奇心を揺さぶる教育方法』を模索している女子大生。

【これぞ!フィンランドの教科横断授業!】

 さぼってました

(3度目の更新にしてさっそく。笑)

スウェーデンに留学中の友達、日本の大学の友達、計2人から連絡をもらった際に、「ねえ、ブログは?続きまだ?」と言われ、「ブログ楽しみにしてるので更新してください!」と言われ。私のブログを待ってくれていた人がいたのか!と、やぁっと書く気になりました。笑

全然更新していなくてすみません🙇💦

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さてさて、それではお待ちかね。

フィンランドの驚くべき授業、

『教科横断授業』について話します✨

  

フィンランドの学校授業を視察し、まず、はじめに感銘を受けたのが、この『教科横断授業』。決して「『教科横断授業』を見よう!」と心得て視察に臨んだわけではなかったのですが、授業を見学しているうちに「ああ、もしかしてこれが…!」と気づきました。

 

とりあえず5年生の「歴史」の授業を見学できるとだけ聞かされていたわたしですが、「歴史」なんていかにも眠くなりそうな授業だなあなんて初めは思っていました。

 

〈流れ〉

1.

まず、授業開始で先生が無言のままグループにカードを配り始めました。(普段机が5つの島に分かれているため、自然と学習グループができています。)それらのカードには、

「宝石」 「塩」 「天然水」 「穀物」 「マンパワー(人的資源)」 「毛皮」

 と書かれた文字が。各グループこれら6つのアイテムと+α(どれかもう3アイテム)の計9つのアイテムが配られました。

 

2.

黒板にアイテムとそのポイントが横に書かれ、子どもたちはそれを見ながら自然と自分たちの持っている総計ポイントをワイワイ計算し始めました。

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3.

子どもが静まったところで、先生から、

「今のそのグループは一つの国です。君たちはその国に住む国民であり、生き延びていくために他国と貿易をしていく必要があります。さて、他の国の国民と交渉することで自分たちのアイテムをより価値あるものにしなさい。どの国が一番多くのポイントを稼げるかな。」

という指示。それを聞いた子どもたちは、自分たちのアイテムを見ながら仲間と話し始めました。そして、先生のGO!の掛け声で全員が一斉に動き出します。

 

4.

「毛皮3つと塩1つ交換しようよ!」

「きっと人的資源があったら高い価値に結びつくよ!交換しない?」

「私たち、もう持ってるからいらないわ。」

「いいわよ、交換してあげる。」

いろんな声が飛び交いながら、trade gameが始まりました。もう、教室の中はうるさいうるさい。笑

 

5.

先生の手拍子で全員が席に着きます。「今どのくらいのポイントが稼げましたか?」と先生。計算し始める子どもたち。

「さて。ここで。Mother Nature(自然の仕業)によって、氷河期がやってきて、アイテムの価値が変化しました。」と言いながら、アイテムのポイントが少し入れ替えられ、子どもたちは大興奮!

「うそだろ!宝石全然価値ねえじゃん!」

「毛皮もらっておいてよかったあ!」

 

6.

「と思っていたら、次は、地球温暖化がやってきて、北極の氷が溶けてしまいました。水位が上がり、町全体が水浸しです。さて、国民全員で協力して生き残ることができるよう、他の国と貿易して価値あるアイテムを手元に残しなさい。」

先生の述べた新たなお題に従って、子どもたちは貿易を再開します。国に残り交渉する人、貿易に自ら出てアイテムを交換しようと交渉する人、主体的に子どもたちは役割に分かれていました。

 

7.

先生の手拍子で再び全員席に着いたところで、地球温暖化になったということは、このアイテムの価値が上がるよね…」と説明を始め、子どもたちはそれを聞きながら自分のアイテムを見比べ、一喜一憂していました。

 

このようなお題がもう1回ほど続いたところで、最後には先生が「急に台風がやってきたぞ!」なんて言って一番価値の高いアイテムのカードをクラスにばらまき、子どもたちがそれを必死に拾っていました。笑

 

そして!ゲームのまとめの言葉として、

「これは、現代社会のマーケットを示したゲームです。trade gameを通して分かったように、物の価値は一定ではなく、状況によってどんどん変化します。その世界の動きに対応して、今そしてこれから、自分に何が必要であるのかを、こうやって考えていくことが、生きていくためには必要不可欠だよね。」と。

 

そして、「さて、それでは、さっそく古代文明に入ります。」の先生の言葉✋✋✋

 

ここで、「あ!これ歴史の授業か!」とハッとさせられたわたし😅笑

 

ちなみに、このゲームは全体45分授業のうちの25分だけ。

残りの20分は、サイレントワークとして個々で画用紙であるものを作るという個人ワークの時間になりました。先生が1度作り方の例を口頭で説明し、静かに個々で画用紙を切り貼りして見本どおりに作ります。

 f:id:b3w41003:20161016081130j:image[先生の見本]

 

これで、わたしにとっての1回目の「歴史」の授業はおわり。

終わったとき、「あれ?これってなんの授業だっけ?」と思わされました。Trade gameをして、画用紙で三角のものを作って…。

「これって「歴史」のなにに関係あるの!?」「この次の授業、「古代文明」の何をやるの!?」と私自身の知的好奇心をゆさぶられて終わった「歴史」の授業でした。笑

 

長くなってしまいましたが、これがわたしが体験したはじめの『教科横断授業』でした。

この1回の授業全体を通して、歴史とは関係なく思える「図工」「算数」「現代社会」などの他科目を横断しました。

 

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これからどんな授業が待ち受けているのか予想できないことって、子どもたちの知的好奇心をすっっごく揺さぶると思うんです。

そんな意味でも、私自身もわくわくさせられた初めてのフィンランドの授業を紹介させていただきました。

この授業の続きが気になる人もいると思うので、また時間のあるときに更新したいと思います😊🌸

 

教科横断授業の説明というより、まるまるそのまま授業の内容について述べる形になってしまって読みづらかったら申し訳ないです😭

長文読んでくださりありがとうございました。

フィンランドのこの授業についての質問やコメントがある方は是非コメントください📝

 

おわり。

 

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